青空に緑の映える、気持ちの良い季節になりました🌱 新しい命の息吹は力強く美しく、見ているだけでエネルギーをもらえる気がします❗️
昔から、新しいことにチャレンジするのが好きです。今年は、スノーボード🏂デビューをしました(もちろん、北京オリンピックの影響)。翌日の激しい筋肉痛に自分の無謀さを呪いましたが、若い人と一緒に新しいことを習うのはとても愉快です😊
かれこれ30年以上前。
大学に入学してすぐに、ゼミを選ぶ機会がありました。私の大学には1年生から自主ゼミに入る慣習があったのです。ほとんどが文学系のゼミの中に、唯一「言語学ゼミ」という文学じゃないゼミがあって、「何それ?!カッコいい!」とすぐに食いつきました。何せ新しいものが好きなので(笑)。
それが私の日本語学との出会いです。
言語学ゼミでは、数名の1年生に4年生が1人チューターとしてついて、研究のしかたを学んでいくようなシステムがありました。
私のグループのチューターは、大学4年にして既に中間管理職感が滲む男性(仮にY先輩と呼びます)で、いつも圧倒的威圧感にビクビクしながら打ち合わせをしたものでしたが、「日本語って面白いんだ!」と開眼したのは、Y先輩のこんな導きがきっかけでした。
Y先輩はある日、芥川龍之介の『手巾』の本文コピーを持ってきて、おもむろに、その中の助詞「は」「が」をマスクして言います。
「『は』と『が』、どっちが入る?」
「えーと、こことこことここは「が」で、あとは「は」です」
「ふーん。なんで?」
出ました‼︎ 「は」と「が」問題です。「は」と「が」の使い分けを説明する、アレです。
あーだこーだみんなで考えます。議論します。
本をいっぱい読みます。三上章とか久野暲とか金田一春彦とか大野晋とか永野賢とか。
そして、思い立ってクラスのみんなを巻き込んで調査をします。空欄に「は」か「が」を入れてください。
アンケートの結果を分析します。みんなの答えが一致するところ、答えが揺れるところ。なんでだろう?
今でもとても感心します。
彼は間違いなく素晴らしいチューターだったと。
私たちは、まんまと日本語の不思議の虜(とりこ)です。
そして私は、30年経った今も、こうして言葉の海を延々と泳ぎ続けているわけです。時に溺れたりしながら…🌊
目の前にある不思議=学びの芽🌱を見逃さないこと、それを大きく育てて、自分なりに自分の力で解明していくこと。そのワクワクをたくさんの方と共有できたらなぁと思う初夏です。
間淵洋子(和洋女子大学人文学部・准教授)